製作者から

Munakata

コントラバス、チェロ、ピリオド楽器(古楽器)の制作と修理、調整を行っています。チェロ、コントラバスは、わずかな寸法、シェイプの違いが直接、演奏に影響を及ぼすので繊細な調整が必要となります。微妙な音色の違いを追求することを得意としています。


バロックは一台一台が奏者によって異なって作られています。楽器を制作する場合、奏者と会い、話し合い、全体のイメージから細部の寸法に至るまで決めていく、つまりカスタムオーダーの形をとっています。これは、楽器制作というものの本来の姿に近いのではないかと思っています。「めぐり逢う朝」というフランス映画をご覧になったことがあるでしょうか。ヴィオール奏者のサント=コロンブが、ある年齢に達した娘のために街の楽器工房に出向いて楽器をオーダーする場面がありました。


また、17世紀後半には、ボローニャでバス・ド・ヴィオロンと呼ばれる、より大型で、チェロとコントラバスの中間に位置するような楽器の演奏技術とそのために書かれた楽曲のレベルが上がるにつれて、奏者からは、もう一回り小さい楽器を求める声が出ます。製作者はそれにこたえようとし、現在のヴィオロンチェロ(=チェロ)のスタンダードができました。音、弾き具合の違いを実感できると思います。


現在、バス・ド・ヴィオロン製作の話があり、来年はプレイヤーとの話し合いを持ちながら、その楽器の用いられた時代・状況・楽曲において研究を深め、全体像・寸法などをつきつめていくことになると思います。


21世紀の現在、300年前の銘器を必要とする演奏者、群衆、会場があり、より安価に演奏を楽しむ世界中の数多くの愛好家があります。 その一方、自分だけのコントラバスを求めている方、ある時代、ある地域で演奏されていた楽曲をできるだけ本来の姿で演奏しようとする方、市場に出回っていない、あるいは理想のものを見つけるのが困難な楽器を探す方もいます。そのニーズにこたえるため、弦楽器界の発展をめざし、楽器制作を続けいます。

2010.9.27

Munakata

宗像剛瑯 - むなかたごろう, Goro Munakata
Luthier

Munakata

1989年より原田哲氏に師事。
1991年よりアンドレア・ボジーニ(Andrea Bozzini)氏に師事。
1993年、スイスにてボジーニ氏の弦楽器工房で修業した後、
1995年独立。
特にコントラバス製作に定評がある。日本弦楽器製作者協会会員。